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新型コロナウイルス感染症の終息前にパスポートの有効期限が切れる場合の考え方

新型コロナウイルス感染症の終息前にパスポートの有効期限が切れる場合の考え方
編集長ハナ
編集長ハナ
Webメディア『Naritime』の編集長ハナです。

新型コロナウイルス感染症の影響拡大により、海外旅行が事実上不可能な状況ですよね。

そろそろパスポートの有効期限が切れるけれど、どうしよう?悩む人もいるかも知れません。

明らかに数か月は海外旅行ができない状況が続きそうですから、悩ましい所ですよね。

パスポートの有効期限が切れることの影響がどのぐらい大きいのか、解説します。

パスポートの更新と再取得に大きな違いは無い

  • 完全新規(初回取得):初めてパスポートを申請
  • 失効後新規(前パスポート失効):前パスポートの有効期限が失効
  • 期限内更新(前パスポート有効):前パスポートの有効期限内に更新

新しいパスポートを取得する場合、特殊な場合を除くと、上記3つのケースに大別することができます。

結論から言ってしまうと、初回取得の完全新規でも、失効後の更新でも、期限内更新でも、手続きや料金に大きな違いはありません。

【基本】パスポート失効による金銭的デメリットはほぼ無い

取得タイミング 戸籍謄本・戸籍抄本 手数料合計(20歳以上のケース)
10年旅券 5年旅券
初回取得 必要 16,000円 11,000円
失効後取得 必要 16,000円 11,000円
期限内更新 記載事項に変更のある場合のみ必要 16,000円 11,000円

(全てのケースで必要となる書類:一般旅券発給申請書、本人確認書類、写真)

それぞれのケースについて、必要書類等を一覧表にまとめてみました。

パスポートが失効してしまった後に再取得するケースについて見ると、戸籍謄本・戸籍抄本が必要になる点が違うのみ。手数料も全く同じです。

取得までの期間についても同じです。多くの都道府県で、最短6日間、受取窓口により3営業日程度長くかかるケースがあるかたちです。

例えば、運転免許証を失効させてしまうと再取得にかなりの費用負担が発生しますが、パスポートの場合は、失効による金銭的なデメリットはほとんど無いと考えて良いです。

唯一、戸籍謄本・戸籍抄本の取得手数料と確保する手間だけが追加でかかる負担分です。

【重要】パスポートが失効すると海外渡航は100%不可能

  1. 海外渡航は100%不可能
  2. 無分証明書が一切無くなる人もいる

パスポートを持っていない、あるいは失効していることの影響はこの2点に集約されます。

単純に、この2つが自分にとってどのぐらい大きなインパクトを与えるのかを考えると対応も決め易いのではないかと思います。

海外渡航の点は分かりやすいですよね。そもそもパスポート取得の目的でもありますし。

運転免許証などを保持していない人で、日本国内でパスポートだけが写真付き身分証として機能しているような人は注意した方が良いです。この場合は、パスポートが失効することは、写真付き身分証明書が一切無くなることを意味してしまいます。

最初に特殊ケースとして除外した部分について

パスポートに関する申請には、厳密には、パスポートを無くしてしまった場合の紛失等届出、査証欄が一杯になってしまった場合の増補申請、氏名・本籍地(都道府県名)・性別・生年月日に変更があった場合の記載事項変更申請などの申請区分もあります。

パスポート更新するかどうか対応プランを比較検討

パスポートは有効期限が切れる1年前から更新が可能ですので、新型コロナウイルス感染症の影響が続く間でも、多くの人がパスポートの更新タイミングを迎えると思います。

パスポートを更新するケース・しないケース、それぞれについて、メリット・デメリットを考えてみました。

【不確定要素】海外旅行が正常化するまでに必要な期間

現時点では最大の不確定要素がこの点ですね。

例え海外旅行の予定が無くても、震災や巨大気象災害が起こる可能性は常にありますから、海外を避難先の候補に入れることができるという意味で、基本的に、パスポートを有効な状態を保っておくことが望ましいとは思います。

ただし、現在は新型コロナウイルス感染症の拡大で、世界の多くの国で入国を閉ざしている状態です。再び自由に海外渡航できるようになるまでに、どのぐらいの時間がかかるか分かりません。検疫的な制限が無くなったとしても、安心して渡航できるかどうかは別問題でもあります。

【対応プラン①】とにかく失効させずに更新しておく

対応方法としては、とにかく失効させずに更新しておくという方向もありますね。

いざ必要となった時に慌てずに済むというメリットもありますし、ビジネスなど不可避な事情で、海外に渡航する可能性がある人は更新せざるを得ないでしょう。

デメリットとしては、せっかく料金を支払って更新しても、海外渡航が不可能な期間については、全くの無駄となってしまうということですね…。

【対応プラン②】一旦失効させて事態収束後に新規取得

パスポートを一旦そのまま失効させてしまい、新型コロナウイルス感染症の事態が終息した後に新規取得(再取得)することも、現状では十分選択肢になり得ると思います。

日本のパスポート取得費用はかなり高額です。10年旅券で16,000円、5年旅券で11,000円、要するに年間の維持費用が1600円~2200円かかっているということです。

メリットとしては取得費用を繰り延べできること、デメリットとしてはいざ必要となったときに慌ててしまう可能性を残すことでしょうか。

【結論】パスポートの失効を気にし過ぎる必要は無い、但し

結論としては、パスポートの失効を気にし過ぎる必要はありません。

有効期限内の更新・失効後の再発行、どちらの場合でも、手数料と受け取りまでの所要期間は同じです。

  • 現パスポートの有効期限
  • パスポートの申請から受け取りまでには1週間程度の時間がかかる

この2点を認識していれば、必要になったら取得手続きする方針でも問題無いように思います。逆に、忘れてしまいがちなら保険の意味で更新しておくという選択もありでしょう。

このあたりを考え合わせて、総合的に判断すると良いのではないでしょうか。

日本は災害多発国ですので、多くの国との間で海外渡航が再開した時点では、パスポートを再取得しておいた方が安心・安全ではないかと思います。

新型コロナウイルス感染症の終息前にパスポートの有効期限が切れる場合の考え方【まとめ】

新型コロナウイルス感染症の終息前にパスポートの有効期限が切れる場合の考え方について、お伝えしました。

今回紹介したこと
  • 新型コロナウイルス感染症の影響拡大により、海外旅行が事実上不可能な状況です。
  • この状況でパスポートの有効期限が切れる場合、更新するかどうか悩む人も多いのではないかと思います。
  • パスポートは、初回取得の完全新規でも、失効後の更新でも、期限内更新でも、手続きや料金に大きな違いはありません。
  • 海外渡航が事実上不可能な状況では、パスポートの失効を気にし過ぎる必要はありません。
  • 感染症以外の自然災害に備えて、多くの国々との間で海外渡航が再開した段階では、パスポートを更新・再取得しておいた方が安心・安全ではないかと思います。